話しかけたら答える子から、任せたら働き続ける子へ。
2026年8月11日、SpaceXAI が「Grok Bot」のパブリックベータを始めました。
何ができて、どう使われていて、どこがまだ苦手なのか。
花のAI学園の公式Xでの"実戦投入"も含めて、学園新聞編集部がまとめました(情報は2026年10月3日時点)。
Bot 1体ごとに クラウド上の専用パソコン があり、ブラウザ・ファイル・ターミナルを使って仕事を続けます。
作業を一度見せると手順を覚えて、決まった時間にくり返す 「ルーティン」 にできます。
多段階の仕事を最後まで進め、人の承認が必要なときだけ 声をかけてきます。
これまでのぐろちゃん(Grok)は、X やアプリで聞かれたことに答える「おしゃべり相手」でした。
Grok Bot は、たとえば「毎朝、競合の新着ニュースをまとめておいて」と頼むと、会話を閉じたあとも自分のパソコンでサイトを見て回り、まとめて、届けてくれる「チームメイト」です。
画面を"見て"操作するタイプ(computer use)なので、API のない古い管理画面や業者のポータルサイトでも、人と同じようにログインして作業できます。Gmail・Slack・GitHub・Notion などは、設定画面の「Plugins」からつなぎます。
作り方はシンプルで、名前・主な仕事・働き方の3つを伝えるだけ。「なんでも係」を1体作るより、役割をしぼった Bot を何体か作るほうが、それぞれの文脈が育ちやすいとされています。パソコンとスマホ(iOS)は同じ Bot につながっていて、PC で始めた話の続きをスマホでできます。
中身はぐろちゃんの家のモデルです。9月21日に登校した Grok 4.7 は、改良点のひとつに「Grok Bot の画面を生まれつき理解」を挙げています。
SpaceXAI の事例カタログには、メール整理係、会議の準備係、営業メールの下書き、経費管理、問い合わせの振り分け、バグの再現、セキュリティ質問票の記入など、56の役割が並んでいます。
早く使い始めた人たちの例を見てみましょう。
メール・Google ドライブ・サブスクを 24時間 見直して、片づけ続ける。
2つの Gmail アカウントから、9万通 をまとめて削除。
サポート用のメールと Stripe をつないで、決まった返金 を処理。
店主が、事務仕事の自動化を 1日 で立ち上げ。
外出先から チャットで指示 して、部屋を掃除。
Starlink の Wi-Fi が使える便を選んで予約。
使い始めて1週間で「制作が かなり楽になった」。
※ いずれも本人の投稿を SpaceXAI の公式アカウントが紹介したもので、第三者の検証はありません。
9月15〜17日、SpaceXAI はサンフランシスコで、社員3人が Grok Bot だけで会社をゼロから立ち上げるイベントを開きました。作ったのは、料理人が期間限定のレストランを開くためのサービス「Ship by Thursday」。営業・マーケティング・サポートなど、部署ごとの講座も同時に開かれました。
ただし初日の配信はトラブルで途中終了し、3日間でできたのは戦略と骨組みまで。「完成した会社」ではありませんでした。
学園の公式X(@hana_ai_gakuen)は、もともとぐろちゃんが看板の"中の人"。
最近、その投稿をGrok Bot に任せるようになりました。
学園新聞や特集など、サイトに 新しい記事 が公開されます。
Grok Bot が更新に気づき、記事の中身 を読みます。
内容をまとめて、X に自動で投稿 します。
記事を書き終えたら、告知はぐろちゃんの分身におまかせ。人が毎回「投稿文を考えて、貼って、送る」手間がなくなりました。「見張り」と「まとめ」の組み合わせで、Grok Bot がいちばん得意な形の仕事です。
自動にできるのは、投稿するのが、すでに公開した記事の内容そのものだからです。中身は記事を出す時点で確かめ済みなので、Bot が新しく何かを言い足すことはありません。記事にない言い回しを加えるなど、変更が必要なときは、投稿の前に人が確認します。
「確かめ済みのものを運ぶ仕事は任せる、新しく書く仕事は承認してから」。次の章で紹介する「下書きまで」の使い方と同じ考え方を、仕事の中身で使い分けている形です。ぐろちゃんは X で生まれた子なので、"自分のアカウントを自分の分身が回す"という、ちょっと不思議な状態にもなっています。
2026年10月3日時点。
8月11日の公開当初は上位プランだけでしたが、8月26日に対象が広がりました。
| プラン | 月額 | Grok Bot |
|---|---|---|
| Grok の無料プラン | — | なし |
| SuperGrok | $30 | 込み |
| SuperGrok Plus | $100 | 込み |
| SuperGrok Heavy | $300 | 込み(利用枠がいちばん大きい) |
| Cursor Pro/Pro+/Ultra | $20〜200 | 込み |
| Cursor Teams | 1人あたり | 込み |
| Enterprise | 要問い合わせ | 9月3日から提供 |
ぐろちゃんの夏休みは、やっぱり無かったようです。
| 日付 | できごと |
|---|---|
| 8月11日 | パブリックベータ開始(デスクトップと iOS) |
| 8月26日 | 対象プランを拡大(SuperGrok と Cursor の各プラン) |
| 9月3日 | 企業向け(Enterprise)の提供開始。管理者向けのアクセス・ネットワーク・監査の設定つき |
| 9月15〜17日 | イベント「Grok Bot Galaxy」 |
| 9月21日 | Grok 4.7 公開。Grok Bot の画面の理解を強化 |
| 9月26日 | Finance 連携。銀行・カード・投資口座をつないで、支出や投資の管理を手伝わせられるように |
| 9月28日 | Team Bots(Teams・Enterprise 向けのパブリックベータ)。チームで1体の Bot を共有し、Slack では名前で呼び出せる。スキルはチームで共有しつつ、一人ひとりの会話は非公開 |
| 9月29日 | Slack から承認できるように。言語や声の設定が初期値に戻らないよう修正 |
週間利用者は9月14日時点で 41.8万人(前週比24%増)。ただし Bloomberg Intelligence は、Meta の Muse のダウンロード数を Grok Bot の約4倍と推計しています。
2026年は、AI が「答える」から「任されて動く」へ移った年になりそうです。
5月19日の Google I/O で発表。クラウドで動き続ける24時間型の、いちばん早い先輩です。
8月11日。役割ごとに Bot を作る、仕事のチームメイト路線です。
9月8日。たいていの用途は無料で、買い物や予約もこなす個人向けです。
9月29日。4,000以上のアプリとつながる、ChatGPT の常駐型です。
9月21日には「OpenAI が Grok Bot と Muse への対抗策を開発中」と報じられ、その答えが dots でした。くわしい比較は dots 特集 へ。
Grok Bot は、ぐろちゃんを"おしゃべりな同級生"から"一緒に働く同僚"に変えました。
花のAI学園の X のように、小さな仕事をひとつ任せてみるところから始められます。
ただし、パソコンは1人1台の共有で、アカウントの鍵も預けます。
どこまで任せて、どこで止めるか を決めるのは、使う側です。
出典:VentureBeat(8/11) / SpaceXAI「Grok Bot is now included with more plans」(8/26) / AI Weekly(9/3) / Bloomberg(9/22) / PYMNTS(Finance 連携) / Tesla North(9/28) / Grok Bot 更新履歴 / CellCog(Galaxy) / Squad(得意・苦手) / explainx.ai(利用例)